2025年11月 宮田律先生

 一昨日の講演会で田中元国連事務次長(元トルコ大使)も仰るように、日本はパレスチナ国家の承認を見送ったことは大きな誤りであり、トランプ大統領訪日に配慮した、まったくの弥縫策でした。

 今回のガザにおける虐殺に等しい紛争は、イスラエルやユダヤ系の人々を国際的非難に晒す現状を提供し、国際世論を完全に敵に回してしまいました。現状の平和協定も薄氷を踏む状態です。世界の起爆点となったパレスチナ問題について、11月は宮田律先生にご講話を伺います。

【演題】

「トランプ政権によるガザ停戦案の課題と展望」

トランプ政権の調停によるガザ停戦は、6万8000人余りの犠牲を出した末に10月10日に発効したが、この停戦案が成立した背景、イスラエル側の事情やトランプ政権の狙い、またその持続性を展望したい

【講師】

宮田 律(みやた・おさむ)先生

一般社団法人・現代イスラム研究センター理事長。1955年、山梨県生まれ。

慶應義塾大学文学部史学科東洋史専攻卒。83年、同大学大学院文学研究科史学専攻を修了後、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。87年、静岡県立大学に勤務し、中東アフリカ論や国際政治学を担当。2012年3月、現代イスラム研究センターを創設。専門は、イスラム地域の政治および国際関係。

著書に、『現代イスラムの潮流』(集英社新書)、『オリエント世界はなぜ崩壊したか』(新潮選書)、『中東イスラーム民族史』(中公新書)、『武器より命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方』(平凡社)、『イスラムがヨーロッパ世界を創造した』(光文社新書)、『人口からみた宗教の世界史』(PHP新書)、『ガザ紛争の正体』(平凡社新書)、『イスラエルの自滅』(光文社新書)などがある。

日時:11月26日(水曜日)

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